糖尿病教育とコンピュータシステム


 このシリーズでも今まで,何回か糖尿病とコンピュータ(あるいはインターネット)の かかわりについて取り扱ってきました。今回は,少し目新しい方法を用いたシステムにつ いて紹介します。

さて、あるプログラムがあったとします。これが、ハードディスクとかフロッピーに存 在しているだけのときは,単なるプログラムとか、アプリケーションなどといわれます。 これが起動されるとプロセスと呼ばれます。最近のOS(基本ソフト)上では複数のプロセ スが実行されてます。

これらのプロセスが互いに干渉すると大変まずいことが起こります。どのようにまずいこ とが起こるかを詳しく解説するとあと100回くらいはこの話で終わってしまうので省略 します。とりあえず各プロセスはそれぞれ独自に動作してお互いに干渉しないことになっ ています。

しかし、場合によってはそれぞれのプロセスで連絡を取り合ったほうが便利な こともあります。これをプロセス間通信などと呼びます。プロセス間通信の方法はいろい ろあります。古くからある方法もありますし、最近できた方法もあります。通信を開始す る方をクライアント、その通信に答える方ををサーバーといいます。

また、プロセス間通信をどんどん進めていくと、 あるアプリケーションを別のアプリケーションで操作するこ ともできるようになります。筆者はこの機能を利用して糖尿病教育を行うシステムを考え ました。サーバーはありふれた、表計算ソフト(もちろんサーバーとして機能するソフト) を用い、これに糖尿病に必要な知識(問題)を蓄積します。これは、単に表計算ソフトを 使ってセルに書きこむだけですから特別な知識は不要です。一方クライアント側のアプリ ケーションは筆者が独自に開発したものを使います。クライアント側ではサーバーに蓄積 された知識を呼び出させ、その内容を読み取ります。そして、読み取った内容を表示して 患者さんに問題文として提示します。

 このシステムを使うと、いろいろな職種(医師、看護婦、栄養士、薬剤師、 ソーシャルワーカー、など)の人が糖尿病に必要と思われる知識をサーバーに蓄え、患者 さんがこれを練習問題として、繰り返し利用することが可能です。 まだ、サーバーに蓄えられているデータも少なく、実際に利用してもらった患者さんの数 も少ないのですが、おおむね使い勝手は良好なようです。


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