糖尿病とこむら返り


 一時的な痛みを伴う筋肉の痙攣を「こむら返り」といいます。よくあるのはふくらはぎ の部分です。

むかしから、肝硬変と糖尿病の患者さんに、こむら返りが多いといわれてい ました。その本当の原因はよくわかっていません。電解質の異常(血液中に存在するナト リウム,カリウムなど)とか、神経機能の異常などが原因ではないかといわれてきました。

 日本で多数の糖尿病を観察したある研究によると、こむら返りの頻度と血糖コントロー ルは有意の関係があるそうです。血糖コントロールが悪いとこむら返りが起こりやすいと のことです。また、こむら返りは気温の低いときに起こりやすいことも知られており,筋 肉の血液の流れ具合の影響があるのかもしれません。

 最近「タウリン」(市販のドリンク剤などで「タウリン××ミリグラム含有!」などと宣 伝しているものがあるので名前は知っている方も多いと思います。)というアミノ酸がこむ ら返りと関係があるのではないかといわれています。このアミノ酸は神経や筋肉細胞の膜 の安定化作用があることが知られています。タウリンが不足すると筋肉や神経細胞が興奮 しやすく痙攣も起きやすくなります。また、高血糖状態では血液中のタウリンが減少して いることも知られています。

 しかしこむら返りは、健常人でもかなりの頻度でみられます。したがってタウリンの不 足だけが原因とは思えませんが、糖尿病で頻繁にこむら返りが起こるようでしたら要注意 です。


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