糖尿病の神経障害が原因となってシャルコー関節が見られることもあります。 この場合ほとんどが足関節以下に起こります。 骨・関節の破壊、じん帯の緩みにより、足の裏のアーチが消失します。
さらに感染などを伴うと骨破壊が進行し足の裏に骨が突出したりします。 こうなると患者さんの日常生活は大変制限されます。
では、糖尿病になるとみんなこのような状態が起こるのでしょうか。 幸い糖尿病が原因でシャルコー関節が起こる頻度は高くはありません。 ある統計によると6万8千人の糖尿病患者を調べたところシャルコー関節を 認めたのは100人程度であったとされています。
しかし,最近の研究ではレントゲン検査を詳細に行い程度の軽いものも含めるともっとず っと高い頻度で起こっているともいわれています。シャルコー関節を起こした患者さんは 若いときに発症して、長期間コントロール不良状態が続き、神経障害を伴った人に多いと いわれています。また、足に潰瘍がある場合にはシャルコー関節を合併している頻度が比 較的高いといわれています。
残念ながらシャルコー関節が発症してしまうと足の荷重を減らす以外有効な治療法はあ りません。また、シャルコー関節をもつ糖尿病患者さんは関節以外にもいろいろな合併症 を併発していることが多く単に足の問題だけにとどまりません。
当然このような病態を防ぐ意味でも日ごろの血糖コントロールが 重要であることはいうまでもありません。