今までは、社員一人一人にパソコンが与えられ、そのパソコンを通じて必要な情報のやりとりをするスタイルがとられていました。しかしながら、セキュリティや、システムの維持管理費用の面からいろいろと問題が生じてきていました。
そこで、ユーザーが使うコンピュータ(クライアント)には必要最小限の処理しかさせず、ほとんどの処理をサーバー側で行うシステムが考えられました。これだと、メンテナンスはサーバーのみでよく、また端末も高機能な機械が不要となり、コストの削減につながります。また、端末では、特定の機能しか有していないのでセキュリティの面でも有効です。 このようなシステム、もしくは端末のことをシンクライアントといいます。
では、医療ITにおいてもシンクライアントの実現は可能なのでしょうか。
われわれは、2002年以来、糖尿病外来予約、検査値の検索、病歴、栄養指導などにおいてシンクライアントのモデルとなる新しいシステムを考案し、実験的に運用を試みていました。結論的には、いくつかの問題点はあるものの、おおむね実用レベルに達していることがわかりました。