糖尿病と不眠にはなにか関係があるのでしょうか。
糖尿病と不眠についての研究は、古くからなされていますが、 対象症例が少なかったり、対象となる症例に偏りがあったりと、 必ずしも「糖尿病と不眠の関係」に関する的確な回答になっていないものが多いようです。
また、不眠の原因そのものも時代背景とともに変化するため、 研究そのものが難しいようです。
さて、一般的には糖尿病と関連のある不眠には、次のようなものが考えられています。
まずは、肥満との関係で「睡眠時無呼吸症候群」との関連です。
「睡眠時無呼吸症候群」については、本連載の第125回でも取り上げました。 肥満による呼吸障害のための不眠で、社会問題にもなっています。
次は、糖尿病やその合併症の症状のための不眠です。
糖尿病の神経障害により足がしびれたりすることがあります。 これがひどくなると、布団に入っているときも、 常に足を動かしていなくては気持ちが悪く、睡眠がとれなくなることがあります。
また、多尿のため夜間に何回もトイレに起きるため充分な睡眠がとれなくなることもあります。
また、糖尿病と「うつ」の関係も指摘されており、「うつ」が原因で不眠となることもあります。
不眠をおそれて、就寝前にアルコールを飲む人も少なくありません。
アルコールでは良質な睡眠をとることができずかえって、 睡眠不足を助長することが多いので注意を要します。
適度な運動と、良質な睡眠で、良好な血糖コントロールを維持することが望まれます。