肥満糖尿病患者のパーソナリティ


肥満は、多くの場合ライフスタイルに問題があり発症することが多いものです。運動不足と過食がその主たる原因でしょう。肥満は糖尿病(または耐糖能異常)、高血圧、高脂:血症などを併せ持ちやすく、いわゆる「メタボリックシンドローム」を形成します。

糖尿病のような生活習慣病から心血管疾患を発症するまでの一連の経過を「メタボリック・ドミノ」と呼ぶことがあります。ドミノ倒しのように次々と病態が悪化していき、ついには心筋梗塞などの心血管疾患を発症してしまうのです。

これを防ぐには、ライフスタイルを変更する必要があります。しかし、ライフスタイルを変更することは、非常に困難な場合も少なくありません。

その原因は、2つあるといわれています。

一つは仕事など簡単には変更できない要因が、正しくないライフスタイルを強要している場合です。努力と工夫によりある程度は、改善が望めるものの、現実には大変難しい問題を含んでいます。 もう一つは、肥満糖尿病患者の特異なパーソナリティによるものです。 ある研究によると、肥満糖尿病患者は「逃避的」「傍観者的」「問題解決の先送り」「自発性の欠如」「外界に対する感受性の低下」「固執的行動」「未来より現在に関心がある」といったパーソナリティの持ち主が多いそうです。

「食事療法はやる気がしない」

「あしたから、きちんと食事療法をしよう」

「食事療法がきちんとできないのは、孫があそびにきているからだ」

「今更、食事を変えるつもりはない」

「現在何も症状がないから、まあ、いいや」

などなど、当てはまる人も多いのではないでしょうか。

こういった、パーソナリティに自分自身で気が付くことも、重要なことであると思われます。そして、ドミノが次々と倒れていくのを防いでもらいたいものです。


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