医療の分野においてもアンケート調査は欠かせないものになっています。
当院では、新しい糖尿病教育の方法を開発するたびに、その教育法に関するアンケート調査を行っています。 一般のアンケートと同じように、ある項目に関して、「よい」「ふつう」「わるい」などを回答してもらっています。しかし、単純に3段階で評価してもらうのが適切なのかどうかは議論の分かれるところです。質問内容にもよるでしょう。
最大のメリットは、集計がやりやすいということでしょうか。 たとえば、痛みの症状に関するアンケートでは、 (1)痛くない、(2)少し痛い、(3)かなり痛い、(4)とても痛い、の中から回答してもらうことになります。
一方、このようなデジタル的(?)アンケートに対して、ビジュアル・アナログ・スケールという手法が考えられています。
アンケート用紙に、水平方向に半直線を引いて、「左端が全く痛くない、右端が最大の痛み、さあ、あなたの痛みはどのへんですか?」というものです。
この手法は、主観的なものを表現するにはかなり良い方法であるとされています。 筆者も以前、この方法でアンケート調査を行ったことがあります。しかし、結果は大失敗でした。右端、左端、中央の目安の印の部分、の3カ所以外に印をつけた人はほとんどいませんでした。これでは、アナログであることの意味がありません。簡単なアンケート調査でも、事前に充分な説明をしないと思わぬ誤解を生むものだと実感させられた事件(?)でした。