早期に糖尿病を発見して、適切な食事・運動療法を行うと合併症も出ずに、快適な日常生活を送ることが可能です。しかし、糖尿病発見時にすでに、合併症を有している人も少なくありません。 糖尿病を早い時期で発見するには、検診の頻度を多くするということも考えられますが、経済的な理由で限界もあります。
簡単な質問に答えて、糖尿病が疑わしい場合に血液検査などのより詳しい検査をするシステムがあれば、効率がよいでしょう。それには、質問事項が適切でないと、糖尿病を見逃してしまう危険が高まります。
外国では、どのような質問事項を設定して、どのように回答した場合に糖尿病が疑わしいかを、統計的に検証する研究が盛んです。言い換えると、いかに安い費用で、効率的に糖尿病を発見して、早期に治療を開始し、医療費をいかに節約できるかということです。
年齢や、家族に糖尿病がいるかどうか、体格指数(BMI)や、運動習慣などの簡単な質問で糖尿病をスクリーニングしようというものが多いようです。これに、点数をつけて、何点以上だと糖尿病が疑わしいので、血液検査などの詳しい検査をしましょう、というものです。
いくつかの、優れたスクリーニング法が発表されているようですが、それをそっくりそのまま日本人に当てはめて良いかどうかは、疑問が残ります。日本独自のスクリーニング法の研究はまだ非常に少なく、今後の研究の進展が望まれます。