高校生の肥満


食習慣、生活様式の欧米化に伴い、日本においても肥満者の割合が増加していることはすでにご存じのことと思います。また、小中学生においても肥満者の増加がマスコミ等で報道されています。しかしながら、大人と子供の中間点にあるともいえる高校生についての報告は多くはありません。

名古屋文理大学の松田秀人先生は、愛知県の公立高校1年生全員の健康診断のデータを元に興味ある報告をしているので紹介します。

1986年から2000年までのデータを元に解析されています。 身長と体重からBMIという指数を計算します。すでにご存じの方も多いと思われますがこれは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値です。この値が22であると病気になる確率が最も低いと考えられています。

さて、BMIが24以上の肥満者の割合は2000年度では男子で11.05%、女子で8.26%であったそうです。15年前に比べるとその割合は男子で2.5ポイント増加していますが、女子ではほとんど変っていないそうです。この15年間で肥満の男子高校生の割合が増加しているようです。その原因については、この論文では触れられていませんが、高校生の女子ではいわゆる「ダイエット」ブームが影響しているのかもしれません。

また、BMIが30以上の高度肥満者の割合はどうなっているかというと、15年間で男女とも2倍に増加しているとのことです。さらに、BMIが34以上の肥満者の割合は、この論文に掲載されている表を見てみると、男女とも15年間で数倍に増加しているようです。 極端な肥満者の割合は確実に増加しているようです。

さて、2000年度に高校1年生だった生徒が中高年になった時、肥満者の割合、糖尿病などの肥満と関係のある病気を有している人の割合などはどのようになっていくのでしょうか。 このままどんどん増え続けていくのでしょうか。それともある時点をピークに横ばいから減少に向かうのでしょうか。さらなる研究が待たれます。


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