糖尿病教育とCGI


筆者は、1996年以来HTML、DHTML、HTMLヘルプ、OLEオートメーションなど を利用した糖尿病教育を試みてきました。

前2者はすでにご存知のように、インターネット上のコンテンツを記述するための方法として広く普及しています。 これがそのまま単独のコンピュータ上で動作することを利用したものです。 コンテンツの作り方も単純で特別な知識も要求されません。 しかしながらインターネット上で使われる記述のためセキュリティ上の制約があります。 せっかく患者さんの教育に利用しても、その記録が残せません。

一方インターネット上では、ウェブ上でアンケート調査をするようなことが日常的に行われています。 これは、多くの場合CGIと言われる古典的ですが確実な手法を使っています。

最近ではASPというのも増えつつ有りますが、動作が遅く普及には今少し時間がかかるでしょう。

インターネットで、ウェブページを見るときクライアント(利用者)は、ウェブサーバに対し て、見たいファイルを要求します。サーバーは要求のあったファイルをクライアントに送 ります。クライアント側では送られてきたファイルを、HTMLなどの書式等に従って画面 表示をします。

しかし、時にはサーバーに置いてあるプログラムを実行して、その結果を クライアントに送りたいこともあります。

この仕組みがCGIといわれるものです。この仕組みで実行されるプログラムのことをCGIプログラムといいます。 CGIプログラムは、パールと呼ばれるスクリプト言語で書かれることが多いのですが、もちろんC言語でも作る ことができます。

前者は単なるテキストファイルなので特別な道具は不要です。 後者はソース・ファイルをサーバーに送り、サーバー上のコンパイラを利用してサーバー上でコン パイルして初めて実行形式のファイルとなります。サーバー上でコンパイラを動かすには テルネット接続で行います。当然後者で作ったプログラムの方が実行速度は速くなります。 当たり前ですがWindows(米国Microsoft Corporationの登録商標)上でコンパイルしたCGI プログラムはサーバー(多くはUNIX系)上では動きません。

さて、筆者がインターネットを始めた当時、CGIが利用できればこれは、糖尿病教育にか なり有効に使えると考えました。しかしながら、多くのプロバイダではCGIは禁止であり (全面禁止でないところではプロバイダが用意したCGIプログラムのみ使用可能など制約が 多い。ましてや、サーバー上のコンパイラを自由に使える所など皆無に等しい)、かといっ て自宅でサーバー環境を作ることは不可能に近いとあきらめていました。しかし最近では、 Windows上で動く無料のサーバーを簡単に入手できるようになっています。これを利用し ない手はありません。

さっそく無料のサーバーを手に入れて、自宅で糖尿病に関するクイズ形式の問題をHTML で作り、採点と記録をCGIプログラムにやらせる仕組みを作ってみました。これは、結構 役に立ちそうです。(近々、外来の患者さんにやってもらおう!)

しかし、筆者一人でこのような仕組みと教材を大量に作ることは物理的に不可能です。そ こで、コンピュータについて知識のない人でも、簡単に上記のような仕組みが作れるプロ グラムがあれば、どうでしょうか。看護婦、薬剤師、栄養士など糖尿病教育に携わるスタ ッフがどんどん教材を作り、蓄積していけば糖尿病教育にかなり貢献できるのではないか と思われます。


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