日本人と欧米人の糖尿病


日本人と欧米の糖尿病(2型糖尿病)では、何か違いがあるのでしょうか。 もしあるとすればそれは遺伝的なものなのでしょうか、 それとも環境の違いによるものなのでしょぅか。

こういった研究は昔から多くの研究者によって調べられてきました。

さて、糖尿病はおおざっぱにいうと、インスリンの出方が悪い(分泌不全)か、インスリン の効き目が悪い(インスリン抵抗性)か、あるいはその両者が原因と考えられます。

インスリン抵抗性の一番の原因は肥満です。 肥満があると同じ量のインスリンがでても血糖の下がり方が悪くなるのです。

しかし、インスリン抵抗性があっても、それにうち勝って多量のインスリンを分泌できれば、 糖尿病にならないとも考えることができます。

一般的に欧米人の糖尿病ではインスリン抵抗性が著明で、 日本人は分泌不全が前面にでていると言われています。 欧米人の糖尿病の多くが極端な肥満や運動不足を原因とするインスリン抵抗性を基盤と しているのに対して日本人では必ずしも著明なインスリン抵抗性を伴っていません。 また、日本人ではインスリン抵抗性にさらされると早期に分泌不全に陥るともいわれています。

さて、日本人が欧米に移住して生活するとどうなるのでしょうか。 もし、日本人としての糖尿病の特徴が移住しても変わらないとすれば、 それは遺伝的なものでしょう。

アメリカに住んでいる日系人では欧米人のようにインスリン抵抗性が前面にでた糖尿病 が多いという研究があります。 やはり、環境が影響しているのでしょうか。 ただ、日系人の場合インスリン抵抗性にさらされた場合早くに分泌不全が生じるともいわれています。 やはり遺伝も関係しているのでしょうか。

さらに詳しい研究結果が待たれます。


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