ブラウザを用いた糖尿病教育 HTMLからDHTMLへ


 前回は筆者らが行ってきたコンピュータを利用した糖尿病教育の試みのあらましを概説 しました。今回はもう少し具体的に考えてみることにします。

 HTMLは文書の中に他の文書とリンクさせる機能を特徴とします。 あるHTML文書の中で重要な語句を他のHTML文書に関連付けることができます。 その語句をマウスでクリックすると、その語句をわかりやすく解説した文書が現れる、 などという使い方をします。

たとえば糖尿病の食事療法について解説した文書で、その中に出てくる医学用語を他の文 書で解説しておくなどという使い方も考えられます。

 もう1歩進んで考えると問題文と選択肢を作っておき、正しい選択肢を選ぶと次の問題 が出ている文書が、間違った選択肢を選ぶとヒントが出ている文書が出てくる、といった 使い道も可能です。

 また、HTMLには画像を表示したり音声を出したりという機能もあるので有効に使えば かなり有効な教材となります。

 しかし、基本はあくまでもある語句から、ある文書へのリンクですから限界があります。 たとえば、問題の形式も必然的にある設問に対していくつかの選択肢から1つを選択する という形式に限られてきます。複数の回答を選んだり、回答者に語句を記入させたりとか 今までの得点を記憶しておいて、次回回答時に得点を比較するなどの高度なことはできま せん。表示される文書や画像は常に同じです。

 さて、HTMLに対してDHTMLでは従来のHTML、主にデザインを担当するCSS、そ してプログラム的なことを実行するスクリプト(JavaScript, VBScript, Jscriptなど)部分 の3つからなります。デザイン的にもかなり自由度が高くHTMLのみでは不可能であった 表現も可能です。スクリプト部分を工夫することにより、おそらくあらゆる形式の問題も 作れると思われます。もちろんこのDHTMLはインターネット上でも、ローカルマシーン 上でも動作します。

 ただ欠点もあります。HTMLは単純であるがために誰にでも簡単に製作することができ ますが、DHTMLは少しばかりプログラミングの知識を必要とします。また、これを表示 するブラウザの種類が限定されてきます。

 筆者らは現在DHTMLの糖尿病教育への応用について検討中です。


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