それでは、どのように必要な情報を集めればよいのでしょうか。 まずは、通院している医療機関の看護婦さんやら、 主治医やら、栄養士さんから情報を得るというのがまず第一でしょう。
次に考えられるのが、書物でしょうか。 糖尿病についての本はたくさん出回っています。 中には、内容が正しくない物もあります。 とくに、健康雑誌などにはどう考えても内容が医学的に正しくない物もあります。 いわゆる、民間療法を紹介している本もあります。 十分注意する必要があります。 著者が日本糖尿病学会の会員であれば内容はまず、問題ないと思います。
本を読むのが苦手だという人は、糖尿病関係の講演会などに出かけることです。 ただ、聞いただけでは内容をすぐに忘れてしまいます。 疑問に思ったことやわからないことは積極的に演者の方に質問する姿勢が大切です。 しかし、時間的、地理的条件などからなかなか講演会を聞きにいけない人も多いでしょう。 医療機関などで定期的に開催している「糖尿病教室」に参加するのも良い方法です。 仲間も増えて、いろいろ励みになります。
また、講演会の一種ですがもっと大規模な「糖尿病学の進歩」という催し物も年一回行われています。 開催地は毎年全国の中から選ばれます。 遠隔地であると出席するのが大変ですが、内容は非常に豊富で最新の知識を得ることができます。
以前にも少し書きましたが、最近ではインターネットから情報を得るということも盛んに行われています。 大学病院とか、医療機関が出しているホーム・ページの情報でしたらまず、内容に問題はないでしょう。 わからないところは、メールで質問すれば答えてくれるところが多いようです。
同じインターネットのサービスの中でも、メーリングリスト(ML)というのがあります。 これは、会員がMLにメールを出すと、前会員にそのメールが配信されるというものです。 何か心配なこととか、わからないことがあればその内容をMLに出します。 するとそのメールを読んだ会員の中でその事項について詳しく知っている人がいればその回答をMLにメールします。 すると、その回答のメールが会員全員に配られるという仕組みです。 このMLに入っていると自分で質問しなくとも、誰かの質問とその回答を読むことができ、知らず知らずのうちに知識が増えます。 糖尿病関連のMLもあります。 最近IDDMのメーリングリストというのができました。 IDDMというのは糖尿病の1つの病型で、若いうちから発症し体内のインスリンの量が極端に少なくなる病気です。 従ってインスリン注射は必須です。 IDDMの方のインターネットを利用した情報収集は非常に盛んです。 また、患者さん自身も自分が中心となって情報を発信している方もいます。 残念なことにNIDDM(中年以降に発症するいわゆる「糖尿病」)の患者さんにはこういう熱心な方が少ないように思われます。 一つには、病気に関する危機感があまりないからでしょうか。 (血糖が高くても痛くもかゆくもない。今日血糖が高いと明日合併症が出るというわけではない。) しかし、血糖コントロール不良のツケはいつか必ずやってきます。 正しい知識を仕入れて、それを実践する事が最も大切なことです。