最近、Elovl-6(エロブロ・シックス)という酵素が注目されています。 これは、何をする酵素かというと、脂肪酸の炭素数を増やして脂肪酸を長くする酵素(脂肪酸伸張酵素)です。
最近の遺伝子工学の進歩により、特定の酵素を持たない動物を作ることはそれほど難しいことでは無くなってきています。このElovl-6を持たないマウスも作られています。 このマウスに高脂肪食を与えて太らせても、糖尿病にもならないし、インスリン抵抗性も生じないことがわかってきました。
これは、今までの常識をひっくり返すような発見です。もし、Elovl-6の働きを抑えるような薬が作ることが可能であれば、肥満を是正することなくインスリン抵抗性を改善したり、糖尿病コントロールを改善することができるのかもしれません。 そうなると、食事療法自体が不要になるのでしょうか。
しかし、この方面の研究はまだ始まったばかりで、臨床応用が可能かどうかもわかってはいません。
やはり、糖尿病治療の基本が食事療法であることは当分変わらないでしょう。