比較的最近、大阪大学の研究者グループが、コレクトリンというたんぱく質が、膵臓に働いてインスリンの分泌を促すという、研究成果を発表しています。この物質はもともとは、腎臓から発見されたものですが、膵臓にも存在することがわかり、研究が進められてきました。
また、外国の研究によると、このコレクトリンが、膵臓のベータ細胞(インスリンを出す細胞)を増殖させる働きもあるらしい、ということがわかってきました。
もし、このコレクトリンを増やすことのできる、薬が開発されると、糖尿病治療には画期的なできごとになるかもしれません。
しかし、この方面の研究は始まったばかりで、まだ臨床的に応用できるまでにはいたっていません。実際に臨床に応用できるまでになるには、まだかなりの時間が必要でしょう。
かりに、臨床応用が実現したとしても、食事療法が不要になるということはないでしょう。いつの時代においても、糖尿病の治療の基本は食事療法であることにかわりはないと思われます。