1.肥満高齢者の頻度が増加しており、これに伴いインスリン抵抗性が増加している。 肥満があると脂肪細胞からインスリン抵抗性を増すようなサイトカインの分泌が増加し、インスリン感受性を増加させるサイトカインの分泌が低下することが知られています。これは、年齢に関係なく起り、高齢者にも当てはまると考えられています。
2.加齢に伴うインスリンの不足 加齢により、膵臓からのインスリン分泌の低下が起ることが考えられます。加齢に伴うインスリン分泌能力についての文献はかなり多数存在し、年齢とともに低下するとされています。
3.糖尿病以外の病気の合併 当然高齢者では、糖尿病以外の病気を持っている比率が高まります。そして、これらの病気が血糖値を上げる方向に影響したり、治療に対して不利な条件となることが考えられます。
高齢者では、糖尿病の罹病期間と合併症の出方が若い人と異なるというデータはでていないようです。(だから、若い人と同じであるという意味ではありません) 加齢は防ぐことはできませんが、肥満は過食をやめ、適度な運動により改善することが可能です。日頃の正しい食生活と運動習慣が高齢者糖尿病の増加を食い止める最善の策かもしれません。