糖尿病とWify


生活習慣病の代表選手は何と言っても「糖尿病」でしょう。生活習慣病は以前は「成人病」などとも呼ばれていました。しかし、年齢に関係なく生活習慣が、その病気の発病や進展に関係する病気として「生活習慣病」が定義されています。

一口に、生活習慣といっても漠然としてわかりにくいものです。たとえば、運動習慣を考えてみると定期的に運動をしている、ほとんど運動をしていない生活習慣などと分類することができるかもしれません。もっと具体的に1週間に何キロカロリーの運動をしているかで分類できるかもしれません。そして、運動による消費カロリーと、糖尿病の発病率などを検討することも可能でしょう。また、食事で摂取するカロリーなどで生活習慣を分類することも可能でしょう。

しかし、生活習慣とは運動と食事だけではありません。もっと幅広いものです。数値で表すことのできないものも含まれていると思われます。

個人の生活習慣を把握することは、糖尿病の治療にも有用であるはずです。

個人の生活に関する考え方を、ありのままに教えてもらう方法として、福岡大学の守山正樹先生らは、「Wify」という方法を考え出しました。これは、What is important for you?(あなたにとって何が重要ですか)の英文の頭文字を取って命名されたものです。

最初に、「朝起きてから寝るまでの間で無くなったら困る大切なものは何ですか」というものがあります。被験者はこの質問に対して具体的に5つのものをマス目に記入します。次に、「家、職場、地域で無くなったら困る大切なものは何ですか」という質問に移ります。

やはり、5つ答えます。次に「県、国、アジア、世界にとって無くなったら困る大切なものは何ですか」という質問に移ります。

この簡単な、質問を通して自分と周囲との相互作用に目覚めていくことを支援することも可能であるとされています。Wifyで、まず自問自答して、現在の生活習慣がこれでよいのか考えてることも大切でしょう。


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