しかし、最近の研究ではいわゆる「脂肪肝」と診断されていたものの中に、「肝硬変」や「肝癌」「肝不全」へと進行する病態があることが明らかになりつつあります。 たとえば、肥満者の中には、アルコールを飲まないのに、アルコール性肝炎と非常によく似た肝組織所見を有するものが、かなりの数存在し、その一部が肝硬変になっているそうです。これを「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」と呼びます。
さて、NASHと診断するには肝臓の組織診断(肝臓の一部を取ってきて顕微鏡で調べる)が重要ですが、これだけでは、アルコール性肝障害との区別は難しいと言われています。 また、NASHは、糖尿病(インスリン抵抗性)とも関連が深いと考えられています。
食事療法と適度な運動療法で「インスリン抵抗性」を改善することが重要であると考えられています。
また、「脂肪肝」と呼ばれていたグループの中には、さらに別の病態を持つ疾患グループが含まれている可能性もあり、研究が進められているようです。