糖尿病治療に使われる薬


 食事療法や運動療法のみで、血糖値が良好にコントロールされることが、 理想ですが、中にはどうしても血糖が改善せず、 血糖を下げる薬(飲み薬)を使わなくてはならない場合がでてきます。 以前は、糖尿病薬などと言われていましたが、これは糖尿病を治す薬ではなく、 血糖を下げる薬であるという意味で、 最近では「経口血糖降下剤」と言われています。 これもいろいろな種類があり、それぞれの患者さんの状態にあった薬が選ばれます。 この薬を飲めば、確かに血糖は下がりますが、 だからといって食事療法をしなくてもよいというものではありません。 きちんとした食事療法を行ったうえで、使用しなくてはかえって害になることもあります。 また、自分勝手に量を増減することは危険きわまりないので、 指示された用法用量を守ることが絶対に必要です。 また、感染症を起こした場合や、経口血糖降下剤で、 どうしても血糖が下がらない場合などに「インスリン」注射が 必要になってくることもあります。 また、最近では、食物の糖質の吸収を遅らせて、 食後の血糖の急上昇を抑える薬物も使われています。 これは、直接血糖を下げる物ではないので、血糖の下がりすぎ(低血糖)の 心配は少ないのですが、やはりきちんとした飲み方が必要です。 そのほかにも、新しい種類の薬が次々と開発されています。 しかし先にも述べましたように、きちんとした食事療法を行っているということが必須条件です。 いくらよい薬ができても、食事療法をきちんと行わないことには、何にもなりません。 また大部分の糖尿病患者さんは、きちんとした食事療法を行うことによって、 血糖値が良好になるはずです。 薬なしで、血糖を良好にコントロールすることが、合併症を防ぐ最良の方法です。 薬は、食事療法や適切な運動療法を行ってもどうしても 血糖値がよくならないときのための次善の策であるということを忘れてはいけません。 


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