糖尿病と胃の病気


「胃の病気」と言えば「胃潰瘍」とか「胃癌」などの病名を思い浮かべる人も多いでしょう。日本人は外国人に比べてこれらの病気が多いと言われています。

それでは、糖尿病では「胃潰瘍」とか「胃癌」の頻度は糖尿病がない人に比べて高いのでしょうか、低いのでしょうか。それともあまり関係ないのでしょうか。

胃癌に関しては昔から、「糖尿病では胃癌の頻度が低い」という研究が散見されます。 また、胃潰瘍に関しても糖尿病ではその頻度が低いと言われています。

糖尿病では一般に胃液の酸性度が低く胃潰瘍になりにくいと考えられていますが、 本当にそれだけの理由で頻度が低いのかどうかは定かではありません。

胃潰瘍とヘリコバクターという細菌の関係が注目されていますが、糖尿病とこの細菌および胃潰瘍の3者の関連性はどうなっているのでしょうか。

胃癌については、これまた糖尿病ではその頻度が一般の人より低い、と言う報告が昔からなされています。この理由についてもあまり、明確なことはわかりません。糖尿病の人は食事療法をしているので、暴飲暴食の機会が少なく、胃の負担が軽いため癌の発生頻度が少ないのではないかという人もいますが、実験的に証明するのは難しいでしょう。

いずれにせよ理由ははっきりわかりませんが、「糖尿病では胃潰瘍や胃癌は少ないらしい」というのは確かなようです。

胃潰瘍や胃癌の頻度が低いのですから、さらに普段の血糖コントロールを心がけ合併症の頻度も少なくしたいものです。


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