それと同じようにエジットボックスを貼り付ければよいのです。
今回は、エジットボックス(エジット・コントロール)に 自分の名前と、生まれた西暦を入力して年齢を調べるという 簡単なプログラムを作ってみましょう。 まずは、エジットボックスを呼び出す方法ですが、ボタンの時と ほとんど同じです。例を示します。
これで、もうおわかりですね。 エジットボックスに入力された文字列を取得するには GetWindowText関数を、セットするにはSetWindowText 関数を使います。 では、早速例題をやってみましょう。hEWnd1 = CreateWindow("EDIT", //エジットコントロール "ここに入力", //最初に表示される文字列 WS_CHILD | WS_VISIBLE, //ウィンドウスタイル 60, 10,//表示位置 100, 20,//幅、高さ hWnd,//親ウィンドウのハンドル (HMENU)ID_EDIT1,//エジットコントロールのID hInst,//インスタンス・ハンドル NULL);//通常NULLです
いつもとほとんど同じですが、ボタンやらエジットコントロールの IDを定義しています。適当に定義しておいてください。 本当は、ヘッダーファイルに書くのですが数が少ないので ソース・ファイルに直接書きました。#include <windows.h> #include <stdlib.h> //atoi関数を使うので必要 #define ID_EDIT1 1000 #define ID_EDIT2 1010 #define ID_BUTTON1 1020 #define ID_BUTTON2 1030 HWND hEWnd1, hEWnd2, hBWnd1, hBWnd2; char name[30], birth[30]; LRESULT CALLBACK WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM); BOOL InitApp(HINSTANCE); BOOL InitInstance(HINSTANCE, int); int CalcAge(HWND); //年齢を計算して表示 char szClassName[] = "edit01"; //ウィンドウクラス int WINAPI WinMain(HINSTANCE hCurInst, HINSTANCE hPrevInst, LPSTR lpsCmdLine, int nCmdShow) { MSG msg; if (!hPrevInst) { if (!InitApp(hCurInst)) return FALSE; } if (!InitInstance(hCurInst, nCmdShow)) { return FALSE; } while (GetMessage(&msg, NULL, 0, 0)) { TranslateMessage(&msg); DispatchMessage(&msg); } return msg.wParam; }
ここも、いつもと同じです。//ウィンドウ・クラスの登録 BOOL InitApp(HINSTANCE hInst) { WNDCLASS wc; wc.style = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW; wc.lpfnWndProc = WndProc; //プロシージャ名 wc.cbClsExtra = 0; wc.cbWndExtra = 0; wc.hInstance = hInst; //インスタンス wc.hIcon = LoadIcon(NULL, IDI_APPLICATION); wc.hCursor = LoadCursor(NULL, IDC_ARROW); wc.hbrBackground = GetStockObject(WHITE_BRUSH); wc.lpszMenuName = NULL; //メニュー名 wc.lpszClassName = (LPCSTR)szClassName; return (RegisterClass(&wc)); }
ここも、いつもとほぼ同じです。しかしよく見ると少しだけ違うところがあります。 ウィンドウの種類がいつもは、WS_OVERLAPPEDWINDOWになっていますが、今回は WS_OVERLAPPED | WS_SYSMENU になっています。//ウィンドウの生成 BOOL InitInstance(HINSTANCE hInst, int nCmdShow) { HWND hWnd; hWnd = CreateWindow(szClassName, "猫でもわかるプログラミング", //タイトルバーにこの名前が表示されます WS_OVERLAPPED | WS_SYSMENU, //ウィンドウの種類 CW_USEDEFAULT, //X座標 CW_USEDEFAULT, //Y座標 250, //幅 120, //高さ NULL, //親ウィンドウのハンドル、親を作るときはNULL NULL, //メニューハンドル、クラスメニューを使うときはNULL hInst, //インスタンスハンドル NULL); if (!hWnd) return FALSE; ShowWindow(hWnd, nCmdShow); UpdateWindow(hWnd); return TRUE; }
ヘルプを見ると、WS_OVERLAPPEDWINDOWは WS_OVERLAPPEDにWS_CAPTION, WS_SYSMENU, WS_THICKFRAME, WS_MINIMIZEBOX, WS_MAXIMIZEBOXを加えたものであると 書いてあります。この場合、親ウィンドウのサイズを変える 必要はないので、WS_OVERLAPPEDとWS_SYSMENUスタイルに しました。
大変長いのですが、よく見ると簡単です。 WM_CREATEのところで、エジットコントロール2つと、 ボタンコントロール2つを作っています。//ウィンドウプロシージャ LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hWnd, UINT msg, WPARAM wp, LPARAM lp) { int id; PAINTSTRUCT ps; HDC hdc; HINSTANCE hInst; switch (msg) { case WM_CREATE: hInst = ((LPCREATESTRUCT)lp)->hInstance; hEWnd1 = CreateWindow("EDIT", "ここに入力", WS_CHILD | WS_VISIBLE, 60, 10, 100, 20, hWnd, (HMENU)ID_EDIT1, hInst, NULL); hEWnd2 = CreateWindow("EDIT", "YYYY", WS_CHILD | WS_VISIBLE, 120, 30, 100, 20, hWnd, (HMENU)ID_EDIT2, hInst, NULL); hBWnd1 = CreateWindow("BUTTON", "計算開始", WS_CHILD | WS_VISIBLE | BS_PUSHBUTTON, 10, 50, 100, 30, hWnd, (HMENU)ID_BUTTON1, hInst, NULL); hBWnd2 = CreateWindow("BUTTON", "クリア", WS_CHILD | WS_VISIBLE | BS_PUSHBUTTON, 130, 50, 100, 30, hWnd, (HMENU)ID_BUTTON2, hInst, NULL); break; case WM_PAINT: hdc = BeginPaint(hWnd, &ps); TextOut(hdc, 10, 10, (LPCTSTR)"名前:", 6); TextOut(hdc, 10, 30, (LPCTSTR)"生年(西暦):", 14); EndPaint(hWnd, &ps); break; case WM_COMMAND: switch (LOWORD(wp)) { case ID_BUTTON1: GetWindowText(hEWnd1, (LPTSTR)name, 30); GetWindowText(hEWnd2, (LPTSTR)birth, 30); CalcAge(hWnd); break; case ID_BUTTON2: SetWindowText(hEWnd1, NULL); SetWindowText(hEWnd2, NULL); break; default: return(DefWindowProc(hWnd, msg, wp,lp)); } break; case WM_CLOSE: id = MessageBox(hWnd, (LPCSTR)"終了してもよいですか", (LPCSTR)"終了確認", MB_YESNO | MB_ICONQUESTION); if (id == IDYES) { DestroyWindow(hWnd); } break; case WM_DESTROY: PostQuitMessage(0); break; default: return (DefWindowProc(hWnd, msg, wp, lp)); } return 0L; }
インスタンスハンドルの取得については、いろいろな方法が ありますので第19章を参照してください。 WM_PAINTのところでは、単に「名前」と「生年(西暦)」 を表示しているだけです。 WM_COMMANDのところでは、ボタンが押されたときの 処理をしています。押されたボタンがID_BUTTON1ならば、 エジットコントロールからかかれている文字列を取得して、 年齢計算関数(自作)を呼び出しています。
ID_BUTTON2が押されたときは、単にエジットコントロール をクリアしているだけです。
最後に、年齢計算の関数です。現在の西暦から 生まれた年を引いて、メッセージボックスで表示するだけです。 GetLocalTime関数については、すでに第10章で少しだけ 触れていますが、使い方については解説していませんでした。 簡単です。int CalcAge(HWND hWnd) { SYSTEMTIME st; int age; char str[256]; char *str_org = "%sさんの年齢は%d歳です"; GetLocalTime(&st); age = st.wYear - atoi(birth); wsprintf(str, str_org, name, age); MessageBox(hWnd, str, "年齢", MB_OK); return 0; }
これで、システムタイム構造体に現在の日付、時間がセットされます。 システムタイム構造体は次のように定義されています。VOID GetLocalTime( LPSYSTEMTIME lpSystemTime // システムタイム構造体のアドレス );
wDayOfWeekには、日曜日が0、月曜日が1、というように セットされます。typedef struct _SYSTEMTIME { // st WORD wYear; WORD wMonth; WORD wDayOfWeek; WORD wDay; WORD wHour; WORD wMinute; WORD wSecond; WORD wMilliseconds; } SYSTEMTIME;
起動すると左のようなウィンドウが出現します。
このウィンドウは大きさを変えることができません。
また、最小化ボタンと最大化ボタンがないことに注意
してください。
クリアボタンを押してエジットボックスをきれいにしてから、
自分の名前と生年を入力します。
その後、「計算開始」ボタンを押すと・・
左のようなメッセージボックスが出現します。
(ここで登場する「粂井康孝」という人物は架空の人物です)
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Update May/18/1997 By Y.Kumei