併発疾患を持った場合の食事療法


糖尿病にさらに、種々の疾患を合併(併発疾患)することは日常よく見られます。このよ うな場合、食事療法はどのようにすればよいのでしょうか。もちろん主治医の先生の指示に 従うのは当然ですが、基本的な考え方を知っておくことは重要です。

 糖尿病に「脂肪肝」を伴うことはよくあります。基本的には「糖尿病食」に準じた食事療 法が基本です。また、アルコール摂取が多いと糖尿病ばかりか脂肪肝も増悪することがある ので注意が必要です。

 「慢性肝炎」「肝硬変」を併発している場合は、以前は高カロリー、高蛋白、高ビタミン 食と言われていましたが、時期によっては普通の「糖尿病食」で問題ないことも多いようで す。もちろん、肝臓の状態により主治医から適切な食事療法の指示が出ますのでこれに従っ てください。

 「慢性膵炎」の場合、最初に膵炎が起こり、二次的に糖尿病が起こる場合と、糖尿病が最 初にありその後膵炎が起こる場合があります。前者の場合はインスリンが必要となることが 多いようです。アルコールは厳禁で、脂肪も控えることが必要です。また、炭酸飲料などで 腹痛を誘発することもあるので注意が必要です。

 また、糖尿病があると感染症にかかりやすくまた、重症化しやすいので、早めの治療が重 要です。感染症にかかると血糖コントロールも悪化することが多く、これがまた感染症を直 りにくくする原因となります。早くこの悪循環を断ち切るためにも感染に対する早期の治療 が重要です。感染症が起こった場合一時的にインスリンを使用することもあります。食事に ついてもケース・バイ・ケースで、主治医の指示に従うことが重要です。

 また、健康食品といわれるもののほとんどは糖尿病にたいして全く何の効果もありません。 効果がないばかりか害になるものも少なくありません。糖尿病にさらに、併発疾患がある場 合不安になりついこのような健康食品に手を出してしまうことが少なくありません。自己流 の治療は大けがの元です。十分気を付けてください。


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