日本における糖尿病治療の現状


日本における糖尿病治療の現状はどのようになっているのでしょうか。

JDDM(糖尿病データマネージメント研究会)の会員が属する施設での糖尿病治療の実態調査の結果が少しずつ明らかになってきています。

それによると、2000年から2002年の3年間で、登録されている全糖尿病患者の平均HbA1cはおよそ7.1%だそうです。

諸外国のデータでは、アメリカで7.9%、イギリスで8.0%、アジア諸国では8.5%と言われていますので、日本のデータはかなりいいようです。ただし、日本のデータは、糖尿病治療を専門としている施設での成績なので、単純に比較はできないでしょう。

さて、治療法はどうでしょうか。2型糖尿病に限ってみてみると、食事療法単独の治療が減り、経口血糖降下剤による治療が増えてきている傾向にあるようです。最近、糖尿病薬として、いろいろな飲み薬が出てきており、その影響であると考えられています。

さて、JDDMでは毎年貴重なデータを集積しつつあり、今後さらに、重要な知見が発表されると思われます。

ただ、残念なことは、JDDMに参加している施設で使用している、データベースがあまりに貧弱なことでしょう。各施設の、データ入力は手入力であり、誤入力の危険もあります。 また、現在のデータベースでは、各施設のデータ量が増えてくると、データの破壊が起こることが危惧されます。将来にわたり、膨大なデータを管理するには、それなりのデータベースが必要と思われます。


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