第55章 石取りゲームを作ろう


今回から、石取りゲームを作ります。

石取りゲームとは、一つの山から交互に石をとり、最後の1個を 取った人が負けとなるゲームです。自分の番の時は必ず、1個以上の 石を取らなくてはいけません。また、一度に取れる石の個数は、最初に 約束事として決めておきます。

ある条件を満たすと、必ず勝つことが昔からわかっています。 今回は、この必勝法を使わずに、コンピュータは乱数で取る石の数を決定します。



では、プログラムを見てみましょう。

// ishi01.cpp

#include <iostream.h>
#include <string.h>
#include <stdlib.h>
#include <time.h>

class Mountain
{
    int m, n; //山の石の数、一度に取れる石の数
    int turn; //0:人間の番、1:コンピュータの番
    
public:
    Mountain();
    int get_stone();
};
Mountainクラスを作ってみました。
Mountain::Mountain()
{
    char yesno[8];

    cout << "交互に石を取り、最後の1個を取った人が負けです" << endl;
    cout << "先手になりますか(Y/N): ";
    cin >> yesno;
    if (strcmp(yesno, "y") == 0 || strcmp(yesno, "Y") == 0)
        turn = 0;
    else
        turn = 1;
    while (1) {
        cout << "石の山の数はいくつにしますか(5以上、100以下)";
        cin >> m;
        if (m < 5 || m > 100) {
            cout << "石の数が不正です" << endl;
            continue;
        } else 
            break;
    }
    while (1) {
        cout << "一度に取れる石の数はいくつにしますか(2以上)";
        cin >> n;
        if (n < 2 || n > m - 1) {
            cout << "石の数が不正です" << endl;
            continue;
        } else
            break;
    }
}
コンストラクタです。

ここで、最初の石山の数やら、一度に取れる石の個数などの初期設定を することにします。

int Mountain::get_stone()
{
    int p; //取る石の数

    srand((unsigned)time(NULL)); //乱数の初期値

    if (turn == 1) {
        if (m <= n + 1)
            p = m - 1;
        else
            p = rand() % n + 1;
        cout << "コンピュータは" << p << "個取りました" << endl;
    } else {
        while (1) {
            cout << "取る石の数 ";
            cin >> p;
            if (p > 0 && p < m)
                break;
            else
                cout << "取る石の数が不正です" << endl;
        }
    }
    
    m = m - p;
    cout << "石の山は" << m << "個です" << endl;
    if (m == 1) {
        if (turn == 1) {
            cout << "コンピュータの勝ちです" << endl;
            return 1;
        } else {
            cout << "あなたの勝ちです" << endl;
            return 1;
        }
    }
    if (turn == 1)
        turn = 0;
    else
        turn = 1;
    return 0;
}
石を取ったり、勝敗を判定するメンバ関数です。

コンピュータの番の時、石山の数(m)が一度に取れる石の数+1(n+1)以下の時は、 コンピュータはm - 1個取って勝ちます。それ以外の時は乱数で取る個数を決めます。

人間の番の時は、取る個数を尋ねます。個数が0以下だったり、残りの山の石の数と同数または それ以上の時は、注意を促し、再度入力を求めます。

取る個数が決まったらm-pで石山の数を計算します。1となれば勝ちで直ちにreturnします。

勝敗がつかない時はturnを反転して戻ります。

int main()
{
    Mountain mt;

    while (1) {
        if (mt.get_stone() == 1)
            break;
    }
    return 0;
}
main関数です。

get_stoneメンバ関数が1を返す(勝敗がつく)まで、繰り返します。

たったこれだけです。

これは、勝敗がつくとプログラムそのものが終了してしまいます。

何回も繰り返して遊べるように改良してみてください。その場合、ゲームの 初期設定をコンストラクタに任せてはいけません。


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Update Feb/12/2002 By Y.Kumei
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